病院ブログ
ブログ投稿が滞っており申し訳ございません。
皆様に有益な情報をお届けできるよう投稿頻度をできる限りあげて頑張ってまいりますのでどうぞ宜しくお願いします。
皆様ノミやダニの予防はしてますでしょうか?
本日はマダニが媒介する疾患SFTSについて紹介します。
当院においてもSFTSを発症したネコちゃんが複数確認されています。
①疾患について
SFTSとはSevere Fever with Thrombocytopenia Syndromeの略語であり、日本語で重症熱性血小板減少症候群といいます。
2011年に中国で初めて報告され、日本でも2013年から確認されたウィルス感染症です。主に西日本での感染が多く報告されています。
伴侶動物の致死率は高く、猫で60-70%、犬で30%程度といわれています。
②感染経路
ウィルス保有マダニ(フタトゲチマダニなど)の吸血により多くの哺乳動物が感染するといわれていますが、その中でも人や猫、犬は致死的な症状を呈します。
また、SFTSを発症した犬の飼主が感染したこと、発症した猫に咬まれた後に人が感染したことなど動物からの直接感染も報告されています。
また中国九州地方において動物病院における獣医療従事者の感染も複数報告されています。
③症状
元気食欲の低下、黄疸、発熱、嘔吐が主な症状です。
④診断
血液検査において血小板減少、白血球減少、CK上昇、T-bil上昇、AST上昇を認め、確定診断はPCR検査が必要です。
⑤治療
有効な治療法はなく支持療法が中心の治療となります。
人においては抗ウィルス薬ファビピラビルの使用が2024年6月に承認となり今後動物たちにおいても応用が期待されます。
神奈川で勤務医をしているときは診ることはなかったためこの地域において発生率が高いことを痛感しております。
上記の通り有効な治療法はなく、動物たちの致死率は高いため、ダニ予防をしっかり行い、可能な限り室内飼育を徹底しましょう!!