病院ブログ

2024.12.29未分類
グリーフケアフォーラムに参加してきました

皆さんはグリーフケアという言葉を聞かれた事がありますか?

人の医療現場では昔から使われていた言葉ですが、グリーフとは日本語で『悲嘆』と言い代えられます。

愛しい人、動物、物との死別・後悔・絶望などによって受ける悲嘆や悲痛のことを表し、グリーフケアとは、そのような悲嘆を抱えた方の心のケアを表します。

愛するペットの病気やケガ、投薬の難しさ、将来に対する不安、介護の悩み、ペットロス、治療への後悔、怒りなど、グリーフは誰の心にも起こりえるもので、その範囲はとても広く深いものです。

私は自分の愛犬と愛兎を癌での闘病・介護生活の末に亡くし、長年ペットロスを抱えながらグリーフケアについて学んできました。

ある時、日本の獣医療業界にペットロスを取り入れた先駆けである、阿部美奈子先生という獣医さんにお会いする機会がありました。

その先生が行うグリーフケアの講義や個別カウンセリングを受ける事で、私の長年抱えてきた『ペットロス=グリーフ』が少しずつ解消するのを実感しました。

12月の2日間に渡って岡山理科大の獣医学部と協力して、阿部先生がグリーフケアについて学ぶフォーラムを開催しました。

当院からは私が参加させていただき、また今まで関わってきた子たちについての症例発表もさせていただきました。

同じ物事を学ぶ獣医師、看護師、訪問ケア士、トリマー、ペットシッターまた学校開催という事もあり、未来の獣医療を担う学生さんが全国各地から集まり、悩みを共有し、話し合い、改善策を出し合うなど非常に内容の濃い深い学びの会でした。

 

私達看護師は待合室でよく飼い主様に声を掛けますが、これもグリーフケアの一例です。

他人に話しにくい、診察室では言い出しづらいなど、様々理由はあると思いますが、私達はいつでも飼い主様のお気持ちを聞かせていただき、それに真摯に向き合っていきたいと考えています。

言いづらい、聞きにくい事もあると思いますが、お一人で悩まずに、そっと声をかけて下さい。

悩んでいる事があれば、一緒に悩みを共有して改善策を考えます。

辛い気持ちを吐き出せる場所がなければ、その場所になります。

これからも、飼い主様に信頼し、悩みを打ち明けていただけるよう、また話しづらい方にはそのサインに気づけるように日々努力してまいります。

 

もぐ動物病院

愛玩動物看護士 阿部祥子